◆保育園っていいなぁ~と虫歯予防について(No,161)

12月になり近隣の山々には冬将軍が到来し、間もなく私のところにもやってくる時季を迎えました。ただ、寒暖の差が大きく、子ども達の体調が気になるところです。今はクリスマス会の準備に一生懸命取り組んでいます。みんな頑張っています。

今月は寒さに向っている、つい最近のある出来事をお知らせしたいと思います。とても心が“ほっこり”する子どもの姿です。

今の時期にしては少しあったかい午前のこと。それでも風が少し強いようでした。子ども達はてんしさんからひかりぐみまで、ほとんどが園庭に出ており、思い思いの遊びに夢中です。その時、てんし組の男の子が何か夢中になって走って(?)きました。何してるのかな、と見てたら落ち葉を追いかけているのです。しかし風が強いこともあり、なかなか追い付けません。すると、にじ組の男の子が走ってきて、1枚の落ち葉を足で押さえました。ウン?と見ていると、その落ち葉を、てんし組の男の子に渡しました。嬉しそうです。すると、又そこに、ひかり組の男の子が来て、にじ組の子の頭を撫でてくれました。その出来事は1分もなかったと思います。事務室の窓から見ていたので、何も音は聞こえませんでした。3人の男の子の間に言葉があったのか、カサカサと飛んでいく落ち葉の音も聞こえません。でも、この1分足らずの光景は、とても心を温かくしてくれました。同時に0歳~6歳までの異年齢集団の保育園ならではの光景だと思いました。

さて、今年の歯科健診の結果が3園共に届きました。宮城野区の保健師が各園に来て詳しい報告をしてくれます。3園で共通する内容は、全体的に虫歯になっていない子は昨年とほぼ変りありませんが、虫歯の本数は増えているとのこと。これは1人の虫歯保有率が高いということです。1人1人の体質等もあると思うのですが、虫歯にならないための努力は、私達大人が注意してあげなければなりません。

希望園は虫歯予防のため1985年(S60)頃に市内で初めてフッ素洗口を始めました。虫歯が大変多くなり、痛がる子ども達を毎日見るのは大きな心痛でした。当時の歯科健診は、東北大学病院の歯学部の先生にお願いをしておりました。当時、鶴ヶ谷希望園を担当していた田浦医師と相談して、園で食後にフッ素洗口をしようということになったのです。しかし、これは大変なことでした。仙台市から猛反対、保護者の方、とりわけ看護師さん、養護教諭の方など、医療関係者の反対は大変なものでした。当時外国では多く行なわれていましたが、日本では新潟県での事例があるだけでした。でも田浦先生はとても熱心に取り組んで下さいました。保護者の皆さんには2回も集まっていただき、やっと了承をしていただきました。しかし、それでも反対する方は少数いましたので、同意書を取り、不同意の場合は水でうがいをして、4歳(はと組)から開始したのです。合せて、食後の歯磨きを3歳児(ゆり組)から始め、保育士が仕上げ磨きをするようになりました。反対は続きましたが、2007年か2008年頃だったと思いますが、厚生労働省が3歳児の虫歯保有率の全国調査を行なったところ、宮城県(仙台市も含む)が全国で3番目に虫歯が多いとの発表があり、そうすると行政は動きます。慌てたかのように虫歯予防に取り組み始めました。その1つが「フッ素洗口」です。洗口薬である「ミラノール」に補助金を出してくれることになりました。2011年になっていました。鶴ケ谷希望園で始めた1985年から26年も経過していました。確か2014年頃には虫歯予防に貢献したとして、希望園は仙台市より表彰を受けました。鶴ケ谷希望園でたった1ヵ所で始まった「フッ素洗口」は、今は市内の保育所のほとんどがで行なわれています。時には「乳歯はどうせ永久歯と生え変わるから」と言う保護者の方がいます。しかし、乳歯の下には、一生使う永久歯が出番を待っています。健全な乳歯から健全な永久歯が生まれてきます。ぜひ虫歯予防に努めていきたいものです。虫歯になってから歯科医に行くのではなく、定期的に歯科医に行き、虫歯にならないようにすることが大切なのです。「8020」をご存知ですか?80歳になっても健全な歯を20本は持ちましょう、と言うことです。今月も長くなりました。申し訳ありませんが、記載した年度がもしかしたら1~2年ずれてるかもしれません。

今年1年も3園の保護者の皆様には、本当に多くのご支援とご理解をいただきました。心よりお礼申し上げます。

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